道の駅高田松原

道の駅高田松原は、高田松原の観光客のために国道45号線沿いに1993年に建設された。津波により破壊されたが外壁は残り、新たに建設された追悼施設などとともに人々が訪れる震災遺構となっている。

津波ですっかり流され、堤防工事の進む海岸一帯はかつては7万本にも及ぶ松林で覆われていた。
残念ながら高田松原には行ったことがなく、昨年5月と9月に来たときも道の駅の存在は知らなかった。

初めて訪れたこの道の駅はなかなか秀逸なデザインである。
建物は海側から約30度の階段が続き、松原にそびえる松の木の梢のかなたに澄み渡る青空に視線を誘導する。
松原が失われた現在、津波の仮借ない暴威と、にもかかわらずこれからも続く海と空の美しさと恵みを思い起こさせる。
海岸沿いの防潮堤が完成し、その上に松林が育つ日が待ち遠しい。

津波襲来の際は、階段を駆け上った数人が災難から逃れただけで、道の駅にいたほとんどの人たちは亡くなった模様だ。
入り口の庇などはすべて亡失し、壁に残る跡でかつての存在を知るだけである。
入り口の奥には瓦礫がそのまま残されている。
正面の壁には津波が到達した高さに赤いラインが引かれ、14.5mと記録されている。

駐車場には「東日本大震災追悼施設」「復興まちづくり情報館」が作られている。

陸前高田 道の駅高田松原 2016年3月26日

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タピック45-1
正面にはエントランスの庇と外構の跡が残っている。
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建物の内部はすっかり破壊され、瓦礫が残されている。かつての姿は想像もできない。
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赤で記された津波到達線と「14.5m TSUNAMI 2011.3.11」の表示。
陸前高田防潮堤工事概要
3mの第一線提と12.5mの第二線堤の間に100m幅の松原を造成する計画。
陸前高田防潮堤工事
工事の進む第二線提。