植樹会

いよいよ桜が植樹されている現場へ。なだらかに弧を描く峪の内側で、10以上のグループが苗木を植える穴を掘っている。春の陽がやさしい。

植樹現場全景

浄土寺から、今日の植樹が行われている米崎町にむかった。現場はビニールハウスや果樹園、野菜畑の広がる小さな谷間で、その周囲をぐるりと囲む形で各グループが三々五々植樹作業を進めている。
ほとんどのグループにとって慣れない仕事のようで、手元は覚束ないが、皆楽しそうだ。
真新しいスコップと軍手、培養土、水のはいったポリタンクなどの七つ道具を使い、2m余りの苗木を植える穴を掘っている。
桜の品種は現地の条件に合わせて塩害、冷害、病虫害に強いオオシマザクラ、オオヤマザクラ、ベニシダレザクラなどが選ばれている。
これから桜が大きく育ち、花を咲かせた時の様子を想像する。
「ここまで津波が来たんだよ」と人々に語り継がれるランドマークが、これから数十年、さらに桜の寿命が尽きて植え替えられる数百年にわたって、人々の活動が続くことを願ってやまない。

地元の人と話ができたが、写真の上部の左にある青いトタンの小屋の下まで津波が来たという。農薬や肥料が保管してあったが、流失を免れたそうだ。モモは塩害に強いので残し、リンゴは弱いので切ってしまったという。
野菜は?と聞いたら、たいていの野菜は海水をかぶっても枯れず、むしろ育ちが良く味も良くなるという。ミネラル分がよいらしいという。不思議なことだ。
モモの花は、サクラより色が濃く、大輪で華やかだ。モモとサクラが咲きそろったらさぞかしにぎやかなことだろう。

帰りに寄った小友小学校でおいしい豚汁の振舞いに与かり、会場をあとにした。

陸前高田市米崎町 2016年3月26日

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植樹1
各グループは家族や職場などから3-5人で参加している。
植樹2
桜の品種は寒さに強いもので、2m以上のしっかりした苗木だ。
植樹3
斜面は急で、苗木も大きい。ほらほら、しっかり持って!
植樹4
家族で参加のグループも。
植樹場所の近くのモモ
モモの花芽がふくらんでいた。