霊山パーキングで高い放射線量を観測

国道115号、霊山パーキングでは高い放射線量を示した。飯館村から県道31号線の谷を伝って、北西向きの風で吹き寄せられたものである。

駐車場の縁石では、515CPMを示した。赤い「DETECT」のLED表示は放射線検出の瞬間を示す。

霊山(りょうぜん)は、福島県伊達市と相馬市との境にある名勝で、825mと高くはないが起伏に富んで急峻な地形の山である。古くは修験道の山としても知られている。
この山に南側からアプローチする登山コースに近く、霊山パーキングがある。
ここの駐車場でこれまでで最大の552CPM(*)の放射線量を観測した。(翌日、南相馬市からの帰路、小国小学校付近で更に高い値を計数した)
地勢的には高い放射能汚染で知られる飯館村の北西に位置しており、特に飯館村から深い谷を通っている県道31号線が国道115号線と交差する地点にある。
不幸にも「放射能の通り道」にあたり、福島原発事故直後の風向きにより高い放射能が吹き送られてきた。

政府は「SPEEDI」という原発事故時の放射能の拡散を予測するシステムを運営していたが、「試算なので国民の無用の混乱を招く」として公開しなかった。
このことは、「知らされていれば子供を外で遊ばせなかった」などと、国民の強い非難をよび、政府はその後謝罪に追い込まれた。

なお、前回の支援行の際は国道114号線を通り、この6倍弱の3000CPM(約27マイクロシーベルト/時)を観測したという。

* 放射線の絶対量比較
552CPMの線量は約5マイクロシーベルト/時で、国際線旅客機の高度1万mでの被曝線量(2マイクロシーベルト/時)の2〜3倍程度である。
CPMとシーベルト(Svと表記)の違い
CPMは単純にアルファ線とベータ線などの荷電粒子をカウントする。これに対して、シーベルトは生体に対する被曝の影響を加味し、ガンマ線も含めて算出する。

福島県伊達市霊山町 国道115号線霊山パーキング 2011年4月30日

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霊山パーキング1
周辺案内図。近くには「霊山こどもの村」もある。
霊山パーキング2
国道は谷底を通っており、放射能もたまりやすい。
霊山パーキング3 放射線量
パーキング片隅の休憩所のテーブルでは、戸外の約4分の1の線量だった。
霊山パーキング4 放射線量
ピンボケの写真になってしまったが、草の上で最大線量552CPMを検出した。